運命ノ黒イ糸
「そっか。なんか嬉ししいなぁありがとう」


そう言う二村先輩は本当に嬉しそうに笑っている。


その笑顔を見るだけで、あたしには満足感があった。


「昼ご飯は俺に奢らせてよ。っていってもファミレスだけど」


「いいんですか? あたしがお礼にって誘ったのに」


「そのくらいのことさせてよ」


そう言い、二村先輩はあたしの手を握りしめて来た。


それはとても自然な行為で、あたしの心臓はドクンッと大きく跳ねた。


二村先輩となら、本当に上手くやれそうな気がしてきた。


そしてデートも終わり、家が見えて来た頃だった。
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