運命ノ黒イ糸
「どうした? 早くおいで」


輝明があたしに手を伸ばし、そして左手をきつく掴んだ。


その瞬間、激しい痛みが全身に駆け抜ける。


「痛いから離して!」


「朱里ちゃんが中に入れば離してあげる」


輝明の言葉にあたしは下唇をかみしめて、玄関へと足を踏み入れたのだった。
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