運命ノ黒イ糸
高原は脂ぎった笑顔を張り付けて、あたしと佐恵子の前で立ちどまった。


「おはよう天宮さん。と、その友達」


佐恵子のことを付けたすように言うなんて、お前は何様だ。


内心そう毒づいて高原を睨み上げた。


背が高い上に大きいから、近くにいるだけで威圧感がすごかった。


「昨日は突然メッセージしてごめんね。驚いたよね? でも、俺天宮さんとメッセージで繋がれてすごく嬉しかったよ」


鼻息荒くそう言ってくる高原。


「それなんだけど。高原君は誰から朱里のメッセージIDを教えてもらったの?」


「えっと、1組の……誰だっけ? 名前、忘れちゃったなぁ」


そう言って頭をかく高原。


「しらばっくれないでよ」


あたしがそう言うと、高原はヘニャッと表情を崩した。


こちらが怒っていることにも気が付かないなんて、どれだけマイペースなんだろう。
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