無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「改めて、今まで黙っていてごめんなさい」

目の前に座ったモデルの陽菜がテーブルに変装の時に使っているだて眼鏡とカツラを置いて頭を下げているのを真未はじっと見つめていた。

「要約すると、最初は正体がバレないようにの変装だったけど、陽菜さんは私が朝陽と付き合いだしたからてっきり正体も知っているものだと思っていた。
でも、朝陽にまだ正体を教えるなって言われてこの前お家で会ったときも変装してたんですね?」

「そ、そうです……」

真剣に話を聞いて自分なりに解釈していると陽菜は胸の前で両手を合わせてコクコクと何度も頷いた。
今まで黙っていたことを説明する緊張なのか、真剣な顔をしてる真未が怖いのかまではわからなかったけどその様子に真未は苦笑した。

「で、朝陽は何で黙ってたの?
いや、別に教えてくれなかったことに怒ってるわけではないけど……」

と陽菜の隣に座った朝陽に目を向けると、朝陽も真未同様に苦笑してゆっくり口を開いた。
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