密会~合コン相手はドS社長~
その日は残業してまで、デザイン画を完成させた。

何を言ったって、社長の言葉はいつも当たっている。

あとは、私が社長を唸らせるしかないんだ。


「できた。」

うん。

色合いも、申し分ない。

「後は、明日社長に見せればOKだね。」

描いたデザイン画をデスクの引き出しの中に入れて、鍵をかけた。


その時だ。

「まだ、残っているのか。」

社長の声がした。

「社長。今、帰りですか?」

「ああ。取引先の打ち合わせが、長引いてな。」

時計を見ると、20時を回っている。

「東村は?」

「ああ、私はデザイン画を描いていて。」

「どれ、見せてみろ。」

社長は、スッと手を伸ばした。

私は仕方なく、デスクの引き出しから、デザイン画を出した。

「……これです。」

ちょっと震えながら、デザイン画を差し出した。
< 12 / 26 >

この作品をシェア

pagetop