密会~合コン相手はドS社長~
何よ。

いつも私の事、虐めてばっかりの癖に。

「ひっ……ひっく……」

何年振りだろう。

人の前で、こんなに泣いたのは。

「な、なんで社長は……今だけこんなに優しいんですか?」

「今だけが余計だ。」

もうダメだ。

「うっ……ううう……」

声も出てくる。

「もう大丈夫です。ありがとうございます。」

私は、社長から離れた。

「大丈夫そうには、見えないな。」

そう言って、社長は私の手を繋いだ。


「今から、俺の家に来ないか?」

「ど、どうしてですか?」

「俺、おまえの事気に入っているんだ。」

ありきたりの誘い文句。

こんな時に卑怯だ。ズルい。

でも、泣いている私には、冷静な判断はできなくて。

手を繋いだまま、私は社長の家に、誘われたのだった。
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