二人は今日も猫をかぶる
猫、1匹目。
午前7時45分、家を出る。
午前7時45分5秒、恭ちゃんの家のチャイムを鳴らす。これが私の平日の日課である。毎日、どたばたどたばたと家の中から忙しない音が聞こえる。
「ゴメンこーちゃん!すぐ準備するから、5分だけ!5分だけ待って!」
「まったく恭は…しょうがないな。とっとと準備してきな。」
どんな寝方してんのって位の、爆発しきった髪の毛。
ちょっとどころじゃなく乱れまくりの、パジャマ代わりのTシャツにズボン。
そこから見える、長い足。それに、もうとっくに抜かされてしまった身長。
朝の恭ちゃんは、私だけが知ってるレアな恭ちゃん。ちょっとヤバい…可愛すぎ。毎日これに耐える私の身にもなってほしい。正直、この待ち時間が赤くなった顔を元通りにする時間だから、寝坊してくれて助かる。…もうそろそろ恭ちゃんが来る時間だ。私の顔、もう赤くなってないよね?平常心、平常心…
「お待たせ!」
そう言って、恭ちゃんは来た。
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