グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
「俺にはちゃんと見えていたよ、本当のノエリが。あの、電話を受けた時からずっと感じている。だから、結婚だって承諾したんだよ」
「な、何言っているんですか? 本当の私って・・・」
「今のノエリは、本当のノエリの顔じゃないでしょう? 」
え? ・・・
ノエリは目を見開いて驚いた。
「ノエリが辛くて苦しいのは、本当の自分じゃないからだろう? 容姿の事を言われるより、本当の自分じゃない事が一番辛いんだろう? だから、本当のノエリに戻ろう」
「・・・何言っているんですか? そんな事・・・できません・・・」
「できるよ。俺には、できるから」
なんなの? 突然・・・
でも嬉しい・・・
ノエリは頭を押さえた。
「ノエリの魂がずっと苦しんでいる。本当の自分に戻りたいって。だから、これ以上、ノエリの魂を苦しめることはやめよう」
ふわりと、後ろからジックニーはノエリを抱きしめた。
「ノエリ・・・。愛しているよ・・・」
ギュッと抱きしめてくるジックニー。
トクン・・・トクン・・・
ジックニーの鼓動が伝わってくる。
とても優しくて心地よい。
本当の自分。
戻れるなら戻りたい・・・。
ノエリはそう思った。
「ノエリ、今日は一緒に寝るだけにしておくから」
え? 今日はって・・・?
ドキドキしていたノエリは、ちょっと拍子抜けしたようだ。
「一緒に寝るのは、今日だけじゃない。これからはずっと、一緒だよ」
「・・・そんな・・・無理なさらないで下さい。寝る時くらい、何も気を使わないで休んで下さい・・・」
「一緒に寝ない方が、俺は心配でたまらないよ。昨日の夜だって、本当は初夜だったけど。ノエリが疲れているだろうって思ったから、別々で寝ることにしたけど。初めての場所で、ちゃんと眠れているかな? って心配で。こっそり様子を見に来たんだ」
嘘・・・寝顔、見られたの?
ちょっと恥ずかしそうに、ノエリは目を伏せた。