グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
「大丈夫? 」

 そっと身体を離して、ジックニーがノエリに尋ねた。

 ノエリはそっと頷いた。


「ねぇ、もしかして。夢だと思っている? 」

「は、はい・・・」

「じゃあ、夢じゃないってちゃんと実感してもいい? 」

「え? 」


 驚いた目をするノエリの顎を取ると・・・

 ジックニーはそっと、ノエリの唇にキスをした。


 寒さに冷えていたノエリの唇に、ジックニーの暖かいエネルギーが伝わってきた。


 夢じゃない・・・現実・・・

 こんなにカッコいい人が、キスしてくれるなんて一生ない事だと諦めていたのに・・・。

 ノエリの心に素直に嬉しい気持ちが込みあがってきた。


 唇が離れると、ノエリの目が潤んでいた。


「帰ろう、俺と貴女の家に」

「はい・・・」


 どこに行くのだろう?

 そう思う中、ノエリは何故かジックニーを疑う事もなく一緒に着いて行った。



 適当にかけただけの電話。

 その相手が男性だった。

 勢いに任せて「私と結婚して下さい」と行ったノエリ。

 
 誰もが中傷するブサイクなのに、優しくてカッコいいジックニーが快く承諾してくれた。

 夢だと言い聞かせたが、現実だと実感させてくれた。


 お互いの事、まだ、何も知らないのに・・・。


 この先、どんな結婚生活があるのだろうか? 


 仲良く手を繋いで歩いている2人を、そっと、夜空の月が見守ってくれていた・・・。



 
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