希望の夢路

愛の確かめ方

「彼女はとても可愛いんだ」
「はいはい」
「…真面目に聞いてるのか?」
「聞いてるってば。で?」
「さっきの、幸福な昼寝って言葉は、彼女の言葉なんだ」
「へぇー。斬新というか…」
「斬新、か。僕は彼女らしいと思うけどな」
博人は感慨深そうに言った。
「そんなことより、彼女は年上?」
「いいや」
「同い年?」
「違う」
「年下?」
「うん。6歳年下」
「6歳も下なの!?」
保乃果は驚いて声を上げた。

「なんだよ、いいじゃないか別に」
「いや、いいんだけど…今までこんな年下の娘(こ)と
付き合ったことなくない?せいぜい、4歳差とかだったじゃない。そんな年が離れてるって…」
「年は関係ない。大事なのは、お互い愛し合っているかどうかだ。」
「うん、まあ、そうね…。でも、6歳差って…、結構離れてない?」
「そんなことない。僕は」
「あー、はいはい。長くなりそうだからそこまでにして。それで、彼女のタイプは?」
「タイプ?」
「ほら、明るくて元気な娘、とか」
「あー、そういうことか。彼女は、とても優しくてすごく大人しい。
でも、自分の考えをしっかり持っている芯の強い娘なんだ」
「へぇー。そんなに大人しい娘なんだ。意外」
「失礼だな。意外ってどこが意外なんだよ」
「だって、今まで付き合ってた娘、大人しいタイプじゃなかったでしょ。ほとんど」
「いや、それは…」
「博人の好きなタイプって、明るくて元気ではきはきしてる娘だったじゃない?
お洒落で美人で色気があって…」
「ストップ!それ以上言うな。確かに、僕はそういうタイプの娘が好きだったけど、
今は違う。彼女に会って変わったんだ」
「な~るほどお~」
「…信じてないだろ」
「信じてない」
保乃果は笑った。

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