希望の夢路

明かされる秘密

「どういうことだ」
彼が私をじっと見て言った。
「あの子達は、君の病魔だと言った。それは本当か?」
「はい、本当です」
彼は黙ってしまった。
私は、彼から目を逸らした。
沈黙はしばらくの間続いた。
「…いつからだ?」
「えっ?」
私は目を瞬かせた。
ずっと黙っていたから、こんな私のことなんて嫌いになってしまったんだと思っていたのに。
「あの子達とはいつから」
「あの子達は…二年前から」
「二年前から?」
私は頷いた。
「あの二人が病魔ってことはつまり、心愛ちゃんは病気ってことだろ」
「…うん」
私は彼の顔を真っ直ぐに見られなかった。怖かった。距離を置かれるんじゃないか、そしていずれは彼は私の元から去ってしまうのではないかと。
怖くて、私は思わず目を瞑った。


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