おじさんは予防線にはなりません
宗正さんの唇がふれたのは私の唇ではなく……額だった。

「詩乃の家がわかったからこれでいつでも遊びに来られるし。
今日はもう帰るね」

「あ、うん」

玄関で靴を履きはじめた宗正さんを慌てて追いかける。

「じゃ、月曜、会社で。
あ、戸締まりはしっかりしなよ?
ここはしてても心配だけど」

「……ひど」

「本当に心配なんだよ。
なんかあったら電話して?
すぐに飛んでくるから。
じゃあね」

バイバーイと手を振る宗正さんに振り返す。
ドアを開けて宗正さんが一歩踏みだし、振っていた手をおろしかけた……瞬間。

「……!」

「じゃあねー」
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