おじさんは予防線にはなりません
その間にいくつも引き出された、布やレース、リボンを所定の位置へ片付けていく。

「ねえ、これの色違い、なかったっけ?」

「はい、すぐに」

言われた布の、色違いの反物を引き出して彼女の元へすっ飛んでいく。

「ありがと」

無言で千明希さんは考え事をしだし、その間に薬の準備をした。
朝昼晩と彼女は飲んでいる薬があるが、時間の観念が狂っているのでよく飲み忘れる。

「千明希さん、薬の時間です」

「もうそんな時間?」

驚いたように手を止め、千明希さんは苦笑いした。

「そう。
じゃあ、お昼にしましょう?
なにが食べたい?」

「そうですね……」
< 284 / 310 >

この作品をシェア

pagetop