かわいい戦争

ちいさな幸福






《――注目のアイドルが、いよいよメジャーデビュー!》





「きゃああっ!リタちゃああん!」

「かわいすぎる……!!」



駅近のショッピングモールの外にある、定期的に開催される野外イベント用のステージ。


その奥の壁には、ついに今日デビューするリタのデビューシングルの告知映像が惜しみなく映し出されている。



「……すっげー人」



横で天兒さんがげんなりとボヤいた。


夏休み最終日の今日。

正午を過ぎた現在の気温は30度越え。


プラス、ステージの周辺は異常なほど人口密度が高い。


暑苦しい……けど、熱くもなるよね。



もうすぐあのステージにリタが立つんだから。




「本当に人多いな!こっからじゃステージ全然見えねぇよ」


「人酔いしそう……」


「イベントまでまだ時間あるんだったよね~?」


「うん、あと1時間くらいあるよ」


「なのにこれだけいるって、璃汰ちゃんの人気やばくね~?」


「どーせ全員暇なんだろ」




暇つぶしの人もいるだろうけど、ここにいるほとんどの人がわざわざ予定を空けて来たんじゃないかな。現にわたしたちもそうでしょ?


この、リタのデビュー記念イベントに。

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