かわいい戦争
「俺で最後か。俺のことは知ってるかもしれねぇが、一応教えてやるか」
高身長の男の子が面倒くさそうに、後ろ頭をガシガシ掻く。
あなたのこと、一切知らないです。
性格の悪さしかわからないです。
たまにクラスの女の子たちが神雷の噂を喋っていたこともあったけど、全部聞き流してたから、ちっとも記憶に残ってない。
「俺の名前は、天兒 利希。お前と同じ北校の2年で、神雷の17代目総長だ」
総長が高身長の男の子――天兒さんなのは、予想ついていた。
だってそうとしか思えない。
態度のでかさといい、高圧的な雰囲気といい。
いかにも、って感じ。
「俺には敬語使えよな。呼び方は、そうだな……『利希さま』はどうだ」
「さま付けを自ら志願すんのはダセぇと思うぜ?」
「総長の俺にさま付けしなくてどうすんだよ」
「その理屈のおかしさにちょっとは気づけ、アホ」
「おかしなとこなんかねーだろ。ここでは俺が一番えらくてかっこいい。それ以外に理由いるか?」
「別に海鈴は神雷のメンバーでも何でもないだろ?よくもまあそこまでふんぞり返れるよな」
天兒さんと勇祐くんのボケツッコミのような小言合戦。
勇祐くんが主に天兒さんのブレーキをかけてる、世話係を担ってる気がする。
こりゃ苦労するわ。