愛されプリンス½




「…さぁ」


「さぁ?」


「知んね。他の女に実際に触ってみたわけじゃねーし」




自分の胡坐をかいた足の上に頬杖をついて、仏頂面で天王子が答える。


はぁ、と呆れたようにため息をつく水川。




「玲ほんとに克服する気あんの~?」


「…うっせーなー…」


「じゃぁさ、俺にいい案があるんだけど」





ニコニコした水川が、私と天王子をかわりばんこに見つめて。




「合コンしよっ♪」




ルンルン口調でそう言った。





合…コン!?




聞き慣れない単語に固まってしまう私。



合コンってあれだよね?


あの、噂の女子と男子が行うアレだよね?



出会いを求める男女がボーイミーツガールするアレだよね?




うわ、天王子が行ったらハチャメチャにモテそう…!




「やだね」



だが天王子は速攻で断っていた。




「え~何で!」



不満そうな水川。




「興味ねーし。めんどい」


「玲の女アレルギー克服にもいいと思うんだけどな~」


「めんどくせーから嫌だ」


「ふーん…」




ジュッといちごミルクを飲み終えた水川が、どこか冷めた目を天王子に向けた。




「玲ってほんとは一花ちゃんとイチャイチャしたいだけだったりして~?」






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