愛されプリンス½





家に帰る頃には、シトシトと降っていた雨は土砂降りになっていた。



ローファーの中にまで水が入ってしまい気持ち悪い。



「ただいま~」



鍵を開けて家に入ると、中は暗くてシンとしていた。


どうやらお母さんは留守らしい。今日どっかに行くって言ってったっけ…?




玄関でローファーと靴下を脱ぎリビングに向かう。



テーブルの上に一枚の紙が置かれていた。




【お父さんが急遽何日かお休み取れたみたいだからN.Yに行ってきます♪
一週間後には帰ってくるから心配しないでね~♪】




…マジか。じゃぁ私一週間も一人なのっ!?




ゴロゴロ…ドシャンッ




「ぎゃっ!!!」





しかもあろうことか、雷まで鳴り出した。最っ悪だ。






「…と、とりあえず、ご飯作ろ!うん、そうしよ!!!」





私は気を紛らわすように、一人きりの部屋でそう呟いた。






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