愛されプリンス½





「ちょっ…あなたね…!」



私をこんな目に遭わせた張本人!


怒ってやろうとしたけど、どうやら九条先輩は私なんぞどうでもいいらしい。



「こんな女抱いて、いったいどこに行くおつもりですか!?」



私に視線は1ミリもくれることなく、真っすぐ天王子だけを見てる。




「…それ、君に関係ある?」



天王子の静かな声。


もう、何でこんなに落ち着いてんの。もう少し怒ってくれたって…!




九条先輩は悲壮な表情で天王子に訴えかけた。




「あります!私はあなたのファンクラブ会長なんです。ファン達の統率と規律を守るのが私の仕事。

なのに、当のプリンスがこんな女に構うなんて、ファン達に示しが…!」



「おまえ何様?」




天王子の冷たい声。ゾクリとした。





「カスの分際で俺に説教してんじゃねーよ、厚かましいんだよブスが」



「………かっ、カス!?……ブス!?」




九条先輩はまるで初めて聞く言葉みたいに、それを繰り返す。




「お前のことだけど?顔だけじゃなくて性格まで腐ってんのかよ、ほんと救いようねーな。大地に還れ」



だ、大地に還れって…それってつまり。




「…ね、ねぇ天王子、もうその辺にしとけば…?」




あまりのショックで言葉を失っている九条先輩。



このままだと倒れてしまうんじゃないかと思って天王子の服を引っ張ると、




「……はぁ?」




天王子の呆れた声が返ってきた。





「お前が言うんじゃーよ、ぶっ飛ばすぞ」





なぜ!?





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