【完】お店で待ってる




放課後の校舎裏。


髪の長い女の子と俺がいる。



「…好きです!

つ、付き合ってください!」



言葉に詰まりながらも、

一生懸命思いを告げてくれる。


けど、俺はそれには応えられない。



「ごめん、好きな人がいるから。」



そう、今の好きな人。


最初は恋愛のれの字もなかった。


けど関わっていく中で、

だんだんと惹かれていった。



そんなことを考えていると、

いつの間にか頬が緩んでいた。



「…そんなに、

その人の事が好きなんですか?」



「あぁ、好き。」



「…、


…あの、

そこをなんとかお願いできませんかね?」



今日の子は少し粘り強いな。



「できませんね。」



俺は即答する。


が、女の子も即、



「ほんの少しもですか?」



「あぁ。無理だ。」



「…そうですか。


…お時間頂きありがとうございました。」



女の子はとぼとぼと歩いていった。



ちょっときつい言い方になったかな。


いや、

キッパリ諦めてくれるように言わないと、

あの子にとっても悪いしな。


そう思いながら、

俺は目的地に急いだ。



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