優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~
『ここに座って』

私は、イスに座って、どんなポーズがいいのか、颯君に聞いてみた。

『そうだな、うん、ただ自然にしててくれれば、それでいい』

『…これでいい?』

本当にただ座ってるだけ。

『うん、それがいい。自然な結姉を描きたい』

『わかった…よろしくお願いします』

颯君は、私が退屈しないよう、音楽をかけてくれた。

静かめな曲調。

ムードがいい…

癒される。

『じゃあ、描き始めるよ。リラックスして』

モデルなんて緊張するかなって思ったけど、颯君は、私に話しかけながら描いてくれたから、力まずにリラックス出来た。

黙って描かれたら緊張もしただろう…

私を気遣ってくれてる颯君、本当に優しい青年だ。

最初は、鉛筆でデッサンしてるようだった。

私を見て、キャンバスに向かって描いて…

そして、また私を見て…

いつもの颯君よりも、もっと…

なぜか、大人びて見える。

きっと、しっかりした、立派な画家さんになるんだろうな…

鉛筆を動かす指が、とてもしなやかだ。


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