優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~
嘘…颯君…

ひざをついてる颯君が、更に力を込める。

『…めて…ダメだよ、颯君…離して…』

そう言ったら、

『嫌だ。このまま。しばらくこのままでいさせて…』

力強い颯君の腕からは逃げられない。

ううん…そうじゃない。

わざと逃げなかった?

『…俺のこと、嫌い?』

『颯君…』

『答えられないよね。結姉は、健太さんの奥さんだし、俺はただの同居人だし…』

『ごめんね、今は何も言えない』

ただの同居人だったら、きっと、抱きしめた腕を無理やりほどこうとしたよ…

でも、私はそうしなかった。

颯君を好きになったの?

ごめん、本当に…

わからないの。

颯君のことも、祥太君のことも…

2人とも私を抱きしめてくれた…

『ごめんね、離して…くれるかな…』

颯君は、そっと、私から離れた…

『今日のモデルはこれで終わり。夕食の準備しないと』

私は、急いで部屋を出て、キッチンに降りた。

2人に抱きしめられて、ドキドキして、このまま死んでしまうんじゃないかとさえ思った。
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