流転王女と放浪皇子 聖女エミリアの物語
隊長がエリッヒの前に戻ってきた。
「お取り次ぎの準備が整いましたぞ」
「では、よろしく頼む」
エリッヒがエミリアを隊長に任せて去ろうとする。
「あなたはどちらへ」
「俺は関係ないからな。言ったろ。お偉いさんは苦手だって」
背中越しに手を挙げて行ってしまおうとする男をエミリアは呼び止めた。
「あの」
エリッヒが振り向く。
「またどこかで会えますか」
彼はまっすぐに女を見つめて笑みを浮かべた。
「ああ」
胸の小袋からサファイアの指輪を取り出す。
「これがある限り会えるさ。俺達の約束の指輪だ」
「危ないところを救っていただいたり、お世話になりました」
「任務なんでね」
「それと、おいしいお料理もごちそうになって」
「まあ、いいってことさ」
「今となってはあの野宿も良い思い出ですわね」
「そうだな」
見つめ合っている二人の間に、隊長がおどおどと割って入る。
「あの、早く参内いたしませんと、皇帝陛下がお待ちでございます」
エリッヒは隊長に敬礼した。
「じゃあ、王女様をよろしく頼むよ」
隊長も背筋を伸ばして応じる。
「はっ、お任せ下さい」
あ、そうそう、と隊長に向かって笑みを浮かべながら親指で門番を指す。
「そちらの門番に金色の鍵を預けたので、回収しておいてくれ」
「き、金色の鍵……」
隊長は合点がいった表情で番兵をにらみつけた。
「はっ、かしこま……、あいや、承知した。後ほど処理しておきましょう」
「じゃ、俺は行くよ」
エリッヒはエミリアに背を向けて去っていった。
「お取り次ぎの準備が整いましたぞ」
「では、よろしく頼む」
エリッヒがエミリアを隊長に任せて去ろうとする。
「あなたはどちらへ」
「俺は関係ないからな。言ったろ。お偉いさんは苦手だって」
背中越しに手を挙げて行ってしまおうとする男をエミリアは呼び止めた。
「あの」
エリッヒが振り向く。
「またどこかで会えますか」
彼はまっすぐに女を見つめて笑みを浮かべた。
「ああ」
胸の小袋からサファイアの指輪を取り出す。
「これがある限り会えるさ。俺達の約束の指輪だ」
「危ないところを救っていただいたり、お世話になりました」
「任務なんでね」
「それと、おいしいお料理もごちそうになって」
「まあ、いいってことさ」
「今となってはあの野宿も良い思い出ですわね」
「そうだな」
見つめ合っている二人の間に、隊長がおどおどと割って入る。
「あの、早く参内いたしませんと、皇帝陛下がお待ちでございます」
エリッヒは隊長に敬礼した。
「じゃあ、王女様をよろしく頼むよ」
隊長も背筋を伸ばして応じる。
「はっ、お任せ下さい」
あ、そうそう、と隊長に向かって笑みを浮かべながら親指で門番を指す。
「そちらの門番に金色の鍵を預けたので、回収しておいてくれ」
「き、金色の鍵……」
隊長は合点がいった表情で番兵をにらみつけた。
「はっ、かしこま……、あいや、承知した。後ほど処理しておきましょう」
「じゃ、俺は行くよ」
エリッヒはエミリアに背を向けて去っていった。