この結婚の行方は・・
H**式

季織さんも無事に退院した。

彼女は、
「今まで、出来なかった事を
やってみたいと思っています。
本当は、大学からやり直したいのですが
ずっと、苦労をかけてきた両親に
一日も早く自分の元気な姿を見て貰い
両親の仕事を教えてもらいたいと
思っています。」
と、私達に話してくれた。

その時は、顔つきも変わり
あの、弱々しい御嬢様では
なくなっていた。

尚ちゃんに沢山お礼を言って
ご両親と一緒に京都へ帰って行った。

安田さんの事をきいてみたけど
「終わった事です。」
と、静かに言った。

本当は、言わない約束だったが・・
「安田さんは、あなたの両親の
お店を護るために
私との事を決めたのよ。」
と、伝えたが季織さんは
悲しそうな顔をして
首を横にふっただけだった。

後は、安田さん次第だろう。

愛情や人の心の暖かさを知らない人だ。
苦労するだろうが、企業のトップに
立っている人だから
きっと出来るはず頑張って欲しい。

私と丈太郎は、
この春に結婚式を挙げた。

おばあちゃまと大倉の大おじ様に
ご挨拶とご報告、お礼を伝えた。

式にも披露宴にも
出席したいと言われたが
おばあちゃまが
「お兄様、無理だとわかっているでしょう。」
と、一喝。
大おじ様は、撃沈。
大おじ様やおばあちゃまの幼馴染みの
方が出席した披露宴も見てみたい気も
するが・・
私が、頭を下げると
「穂乃華、幸せになりなさい。
何かあったら、いつでも私を頼りなさい。」
と、とても優しい顔で言ってもらい
「ありがとうございます。
大おじ様もお体ご自愛下さい。」
と、伝えた。

結婚式の御祝儀が後に届いて
丈太郎と規模が違うと
笑いあってしまった。

大おじ様、ありがとうございます。
大切に使わせて頂ただきます。

式は、病院の待合室で行った。

出席できないスタッフがいるから
皆に見てもらいたくて。
真っ白なウェディングドレスの私。
ネイビーの燕尾服をきた丈太郎。

病院のスタッフや患者さんに
沢山祝福してもらった。

披露宴は、病院の関係者
おじいちゃまの会社の関係者が
沢山出席して行われた。
白無垢、色打掛、
白いレースのウェディングドレス
皆さんのお見送りは
ピンクと白ベースの大きな花があしらわれた
可愛い形のウェディングドレス。

丈太郎は、背中が見える
肩が出すぎだと
煩かったから放置した。

そういう丈太郎は、モデル並みの容姿に
何を着てもカッコ良かった。

新婚旅行に行けない私達に
尚ちゃんと亜季ちゃんが
ホテルのスィートルームを
とってくれて、1日お休みもくれた。

部屋に入ると
「結婚おめでとう!!」
と、ルドガー医師から
大きな花束が届いていた。

季織さんにも招待状送ったが
見習いの身ですので
と、笑いながら連絡をくれた。
本当にしっかりしてるわ。

丈太郎から
「いつまでも、いつまでも
一緒にいようね。
生まれ変わっても
俺の嫁さんは、穂乃華だけだよ。」
と、言ってもらい
大泣きする私に
「穂乃華、愛してる。」
と、抱きしめながら
言ってくれる丈太郎に
「私も、私も丈太郎が好き、大好き
丈太郎がいてくれたから
私は今、ここにいれるの。
丈太郎、ありがとう。」
と、言うと
「もぅ、無理。」
と、言われて
朝までフルコースとなった。
「もぉ~、丈太郎のバカっ
せっかくのスィートルームなのに
一歩も動けない!!」
と、叫ぶと
「ごめんね」
と、シーツ事抱き上げて
一部屋ずつ回ってくれて
やっぱり優しくて
大好きと・・・思ったら
ベッドに下ろされて
再び、抱き潰された。

どんだけ、体力あるやら・・・
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