王女にツバメ

てか、若い子の情報管理がどうとか思ってたけど、あたしだって自分の家知られてるじゃない。

盲点だった。こちらはこちらで、一人額を抱えてしまう。

「おねーさんの家、今日も泊まって良い?」
「……そのおねーさんってやめてよ」

さっきも電車の中でその呼び方に反応する人がいた。あたしは君のお姉さんではないし。

「じゃあ裏葉さん」
「なんで名前知ってんの」
「ネームプレートに書いてあった」

情報管理とは何ですかね。

犬飼にこの話をしたら、また夢でも見たのかと言われそうだ。こちらだって、夢にできるならしたいものだ。

< 15 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop