王女にツバメ
王女にツバメ

気づけばバレンタインデーになっていた。不動産屋から出て、駅を通って思い出す。催事で様々なチョコレートの専門店が店を構えている。

昨年買ったチョコレートも思い出せず、結局今年は買わずに終わった。

大凡一週間ぶりの帰宅。当たり前に家の中はしんとしていて、バッグに詰め込んでいた着替えを洗濯機に突っ込んだ。

部屋の換気をして、掃除。誰からも連絡のこない携帯を充電する。

あの後、上司は青い顔をして引き下がった。
静かにあたしに指示した仕事を自分でやっていた。出来るなら自分でやれ、と思ったけど。

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