無気力オオカミくんは、私だけに夢中。

ヒザマクラ?

頭で処理するヒマもなく手を引かれて、立ちあがってしまった。



「やっ。私まだいいとは言ってないよ?」

「じゃあ早く、いいって言って」

「ええっ……。だって、サボるのはちょっと」

「いいじゃん1回くらい。頑張るのはえらいけど、きついとき休むのも大事なことだよ」



それはたしかに正論ではあるけども、疲れてるのは私じゃなくて西野くんだし。サボりはだめなことなのに、私はそれに無理やり巻きこまれようとしているわけで……。


考えているうちにも、西野くんは私の手をつかんだまま教室を出ていこうとする。

ずるずる引きずられる私。

ついには廊下に出てしまった。



なんで振り切らないのかって。
それは、サボりに対する背徳感の裏側に、よこしまな感情が見え隠れしているから。

サボりはよくない!っていう正義の私と、超かっこいい男の子と二人きりになるチャンスを逃すのはもったいない!っていう悪い私が戦ってる。



どっちが勝つの?
なんて、もう迷ってる時点で結果は見えてるようなもの。



そんな私の目の前に、最後のレフリーが現れた。

< 25 / 332 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop