罪作りな彼は求愛方法を間違えている
罪作りな男が愛を囁くまでのカウントダウンが始まる

彼と出かけたUワールドで、デートような甘い時間を過ごしてから私達の関係は、一変した。

何かと忙しいらしい彼と過ごす時間は、もっぱら私の部屋か、今までのように、こう兄のお店で少し飲んで私の部屋に移動するパターン。

何をするかって⁉︎
男女の関係があれば、必然的にそういう流れになってしまう。

彼と、そういう関係になって求めてもらうと嬉しいと思うのは最初だけで…今は、私って、彼にとってなに?と疑問だらけでモヤモヤしている。

好きだとか
愛してるとか
何も言わないくせに、私を甘やかし、時たま甘えてきたり、嫉妬らしいものをみせる彼は、行為の終わった後の一服をしに、今日もベランダに出て行った。

私は、気怠い体をベットから起こし、脱がされた服を着てキッチンへ向かうと、気配に気がついたそらくんが、いつもの彼の定位置から駆け寄って来て足に体を擦り付け甘えてきた。

「そらくん、おいで」

肌寒くなった今日この頃、そらくんの体温で暖をとる私は、羽織っていたパーカーのジップを胸まで留めて、顔だけを出したそらくんをパーカーの中で抱きかかえたまま喉の渇きを潤す為に、冷蔵庫の中の炭酸水を開けて飲み始める。
その側で、そらくんが身を乗り出し私の顔を眺めていた。

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