月の光に魅せられて





二人が打ち解けるのには

時間はかからず、あっという間に

楽しい時間は過ぎた。



「 …イさま〜…レイ様〜! どちらにいってしまわれたんですか〜」



大広間の方から侍女が自分を探している声がする。



「 もっと話したいけど、僕のこと探してるみたいだから
そろそろ戻らないと。 」



レイは名残惜しく感じたが、アリアを振り向き



「 またいつか絶対に会おうね 」



そう言って夜色の瞳を柔らかく細め微笑んだ。


その瞬間感じた

心の奥に芽生える甘く小さな何かに

幼い少女はまだ気付かなかった。




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