ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
朝食を取りリラを病院に送って行った。

治療ではなく、レオンと話合いをする時間を作るために預かって貰うためだ。

病院の先生たちにすっかり慣れたリラは、嫌がる様子もなく病院の中庭に向かって行った。

私とレオンは部屋に戻り、居間のテーブルに着いた。

「レオン、聞きたいことが沢山あるの」

「ああ、分ってる」

レオンは短く相槌を打ってから口を閉ざす。私の言葉を待ってくれているようだ。

頭を整理しながら切り出した。

「全てオリーヴィア様に聞いたことなのだけれど、まずはリラの病気が毒のせいだったって言うのは本当なの? ここに来てから元気なのは毒が抜けたからなの?」

レオンは険しい表情で頷いた。

「ああ。ここに転院して来た初めの検査で分かり報告を受けた」

覚悟していたとはいえ、肯定されると再びショックが襲ってくる。

「レオンも先生もどうして私には話してくれなかったの? 私はリラの母親なのに」

「イリスを動揺させたくなかったからだ。ただでさえ俺のことや初めてのカサンドラでの暮らしで負担がかかっているのに、それ以上に不安を与えなくなかった」

レオンの気持ちも理解出来た。

再会して直ぐの私はレオンに対して壁を作り距離を置いていた。

リラの毒のことなんて聞いたら誰も頼ることが出来ずにパニックになっていただろう。

レオンはそれを見越して黙っていたんだ。

「レオンの気持ちは分かったわ……それで毒のことを聞いてレオンはどうしたの?」

「イリスとリラの護衛を増やし、病院内にも俺の配下の者を紛れ込ませた。同時に犯人を捜すために動いていた」

「そんな前から護衛が付いていたの?」

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