その瞳に私を写して
「ったく~ 先輩は~。」

「なんだよ、聞いて欲しかったら早く言え。」

正也は、勇平の背中を叩いた。


「いや、いいですよ。」

「早く言わないと、行っちゃうぞ~。」

「どうぞ。」

「じゃ……」

そう言うと正也は立ち上がったが、すぐまた元の場所に座った。


「言うなら、今のうちだぞ。」

「結局、聞きたいんじゃないですか。」

勇平は、正也には昔もついていけなかったが、今もついていけない。

だが誰かに今の気持ちを、吐き出したくて、勇平は今までの事を正也に話した。


一通り話し終わると、正也はふぅーっと息を吐いた。

「それは大変だったな。」

「分からないですよ、もう。」

勇平は、大きなため息をついた。


「麻奈は少し子供っぽいつうか、夢見がちって言うか、そういうところあるからなぁ。」

麻奈の元カレが、正也だった事を、勇平は思い出した。

「そういえば、勇平。これからどうすんだ?」
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