その瞳に私を写して
このいかにも、日本人男性が好みそうな、ブロンドの髪を持つアメリカ人は、麻奈の秘書兼友人のキャシーだ。

麻奈がこのNYで、編集長代理という大それた役職をこなせるのも、このキャシーのおかげなのだ。


「今日も…よい…天気ね~!」

キャシーは、日本に留学していたことがあって、日本語はペラペラ。

だから麻奈はものすごく、助かっている。

NYに来る前に一応 英会話学校に通ったが、それでも言葉が出てこなかった時は、キャシーに通訳してもらっている。

本当に、キャシー様様なのだ。


「Mana,How did you do it?」
(麻奈、どうしたの?)

「ん? あ~ You are an excellent secretary.」
(あなたは、優秀な秘書だって思ってたの。)

「Oh! thank you!!」
(ありがとう!!)

そう言ってキャシーは、私の頬にキスをした。

麻奈は確かに、NYの生活には慣れたが、未だにアメリカ人の感情表現には慣れていない。
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