潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
メイクは品良く手直しされて、髪は上げられサイドがクルリとカーリングしている。

胸元には小さなパールが付いたネックレス。
それと同じ物が耳朶にも付けられ、さながら何処かのセレブみたいな感じ。



(これが……私?)


茫然としたまま自分の顔を眺めていると、「そろそろいい?」と言いながら彼が部屋と入ってきた。



「あ…」


越智さんに振り向いて、これは一体…と声をかけようとして立ち上がると、慣れないヒールに足元がグラつき、前のめりになって凭れ込みそうになる。


「危ないっ!」


咄嗟に出されてきた腕にしがみつき、何とか倒れずにホッとした。だけど、同時に彼の匂いがふわっとして、慌てて体を起こして「すみません」と謝った。


「ヒールに慣れてなくて」


それだけじゃなく、こんなワンピースも着たことなど一度もない。

目をパチクリとさせたまま目線を上向きにすれば、前髪をワックスでまとめ上げたと思われる彼は、優しい顔で見下ろしていて。


「俺の腕に掴まってゆっくり歩けばいいから。いつもの様に胸を張って、前だけ見ていれば大丈夫」


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