潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~

「ぷっ…」


思わず吹き出しそうになり、手で口を覆う。
真っ赤な頬っぺたで幸せそうに眠り込んでいる相手の顔を見ると、下心など持つ方が間違ってる様な気がして反省させられた。


「こんなに真っ直ぐで、ただ頑張り屋なだけなのにな」


きっと懸命に仕事をしているだけだっただろうに…と思うと若干不憫にもなる。

けれど、それも自分の会社の責任だと思えばこそ、やはりきちんと自分のことを明かして、日頃の感謝を口にしなければいけない様な気もしていた。



「恨み言の一つくらいは覚悟しておかないと駄目かな」


さらっと手に取った髪の毛は、柔らかくてスベスベしている。
指を絡ませると「ん…」と開く唇に見惚れ、しばらく黙って見続けてしまった___。



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