命令恋愛
思い出す
「優奈、大丈夫?」


休憩時間になると、すぐに香菜美が保健室まできてくれた。


「うん、平気。傷は浅かったから」


保険の先生にキチンと診てもらったし、もう大丈夫そうだ。


あたしは香菜美と2人で保健室を出た。


「ビックリしたよ、急に耳から血を流してるんだもん」


そう言う香菜美にあたしはスマホを見せた。


スマホの画面は今真っ暗になっている。


電源をいれようとしても、バッテリーを抜いているから入らない。


「テスト中の恭介からの命令が来たの」


「え?」


「ジュースを買ってこいっていう、命令だった」


あたしはそう言い、持っているジュースを見せた。
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