煙りが空に消える様に
愛しき記憶 知る者居ず
あぜ道を辿って歩く、草原で

照り返した湖面に古城がうつる

名もなき深紫なる花々が私を撫で

忘れられた記憶がシュラシュラと

古城で受けた愛は儚く

門から投げられた小さき花の束は

城と共に弓矢に倒れた

湖面を往く風

揺らめき光増す

山陰に隠れた古城に
愛しき人の影を探す
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