俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
トランクを馬車の中に放り込み、俺は御者に変装する。貴族が使っていそうな馬車なので、怪しまれることはない。

馬車のカーテンを閉め、俺は馬車をゆっくりと走らせた。



翌日、俺の家のポストに手紙が入っていた。真っ白な便せんに、「クリスタル・モーガン」と書かれている。

俺はクリスタルからの手紙に驚き、そして嬉しかった。急いで部屋へと戻り、手紙を開ける。

しかし、笑顔で手紙を開けた俺は、そこに書いてあった内容と同封されている写真に戸惑う。

これは、重大な犯罪事件だ。

「ベル、警察署へ行ってくる」

俺はすぐに家を飛び出した。手には写真と手紙も持っている。

「クリスタル・モーガンは預かった。返して欲しければ勝負をしよう。クリスタルの居場所を見つけ、俺と勝負だ。 ジャック・グラス」

鎖でつながれたクリスタルの写真が……同封されていた。

心臓がうるさい。後悔と、クリスタルが無事なのかという心配ばかりが募る。

俺は警察署へと飛び込んだ。
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