俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
不良が自分の持っている剣を振りかぶる。私は固く目を閉じるしかできない。

しかし、剣が私に触れることはなかった。

「俺の恋人に手を出すな!!」

ずっと聞きたかった声に、私は夢なのかと疑う。恐る恐る目を開けると、レムさんとロビンさんに拘束されている不良と……リーバス。

「……リーバス?」

私の目から、大粒の涙がこぼれていく。私はリーバスに腕を伸ばし抱きついた。懐かしい匂いと温度、間違いなくリーバスだ。

リーバスも私の体に腕を回す。そして、私のつむじや髪に優しいキスをしてくれた。

「ずっと、怖い思いをさせてすまなかった。怪我はないか?」

リーバスは目に涙を溜めながら私に訊ねる。私は泣きながら首を横に振った。

「……来てくれて、ありがと!」

私とリーバスは、ずっと抱きしめ合っていた。待ち望んでいた再開に、私は…私たちは涙を流して笑った。
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