きみの理想の相手
金井さん
 今日は土曜日。

 仕事がお休みなので、本を買うために野村書店にやってきた。

 毎日通っている本屋以外に、他の本屋もあるだろうと思うかもしれない。
 だけど、私は違う。土曜日の午前は、あの金井さんがいるのだ。

 4階にある野村書店に向かうため、エレベーターに乗り、金井さんがいるのを期待しながら、4階に付くのを待っていた。

 チーン

 4階にある野村書店に着いた。すぐ、私は金井さんがいるか会計スペースを見渡す。

 すると、金井さんはいた。茶髪でウネウネしている髪型は、すぐ見つかりやすい。

 いた! 

 先週の土曜日はいなかったんだよね。

 今日は、ラッキーな日。

 よし、今日こそ言おう。

 金井さんに連絡先を渡す。

 いつもカバンの中に、自分の連絡先の番号を入れている。

 だから、いつでも言える。

 なのに、本人の前にしたら言えなくなる。

 言いたいのに言えない。もどかしい。
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