きみの理想の相手

「…久しぶり。琴美だよな。お前ら本当仲いいよな。高校の時からつるんでいたよな」

 亮介はニコッと口角をあげて、私たちを見た。その笑顔は高校の頃に見た亮介の表情と似ていた。

 亮介の表情を見ると、昔の付き合っていた彼を思い出す。

「…あ、早くいかないと。店長に怒られる。じゃあ、またな」

 亮介は、私たちと話し合った後、後ろを振り返り仕事に戻っていた。

 私たちは、亮介に手を振って別れた。

 バタンと扉が閉まって、亮介がいなくなったのを確認して琴美は話し始めた。

「…まさか、亮介先輩と会えるとは」

 そう言って、琴美は扉の前で立っていたのを、私の隣にきて声のトーンを少し高くして言った。

「……これって、なんかの縁なのかな。まさか、理実の元カレに会うとは。だって、このカラオケ店っていつも私たち通っているよね。でも、会わなかった。だけど、今日は奇跡的に会えた。どう思う?理実は」

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