刺激を求めていたオレが念願の異世界転生を果たすも、そこはラスボス手前のセーブポイントだった件

「……大丈夫か?」

その時、オレの肩をとても大きな手がぽんと叩いた。振り向くとそこにはアレックスが立っていた。

「・・・・・・これから向かう場所を思えば震えもするよな。だが、大丈夫だ。お前にはオレ達がついている、そうだろ?」
「ありがとうアレックス。皆を信じているよ」

アレックスはそうオレのことを鼓舞して、また皆の元へと戻っていく。青く澄んだ瞳の内側には炎が宿どり、そこに確かに勇気を見た気がした。

あの大きな手が震えていたのか?あの気高い瞳が震えていたのか?あの時のアレックスにいったい何が起きていたというのか。

ダラダラと考えている時間はないな。けど、今やるべきこと、やれることは意外とはっきりしている。さっきの失敗で感じた違和感を一つずつ払っていくしかない。

「インデックス話を中断してすまない、オレの名はツバサ。インデックス、まずはオレの今のジョブと装備を知りたい。あと、各属性耐性値もよろしく頼む」

『汝の名はツバサだな。ツバサ……汝のレベルは現在『Lv185/300』。
ジョブは『ソリッドアーチャー(熟練度MAX)』
装備は
頭:吟遊詩人の帽子
銅:根無し草のマント
靴:宵闇の影
武器:世界樹の弓-閃光の矢(無限)

各属性耐性値は装備やスキル補正込みで炎属性プラス70%、水属性プラス55%、木属性プラス85%(最高値)、雷属性プラス5%、地属性マイナス10%。
光属性プラス47%、闇属性プラス63%となっておる』

ふむ。ジョブ、レベル、各属性耐性値もさっきと変わらずか。やはりセーブポイントに辿り着いた時の状態に基づいて蘇生する仕組みになっているようだ。オレはふとイスカに目が止まった。そして、あの瘴気によるダメージで感じた違和感を思い出していた。

……ここは、念には念を入れておくか。

「インデックス、闇属性耐性値を装備やスキルをいじって今可能な最大値に上げてもらってもいいか?」

『承知した。では装備を1つ変更し
胴『根無し草のマント』→『厄災の鎧』
に変更することを勧める。

これにより闇属性耐性値は63%から78%へと15ポイント上昇、代わりに魔法防御力マイナス250ポイント、物理防御力プラス57ポイントとなるが良いか?』

ふむ、あの魔族三匹はどちらかと言えば武闘派だったように見えたし、物理防御力が高まるのであれば一石二鳥か。何より、これで少しでもイスカへの負担が軽くなるのなら一先ずはそれでいい。

「うん、装備の変更を頼む」
『承知した』

そうインデックスが言った途端に、マントが淡く光り輝いたかと思うと、収束した光から姿を現したのは髑髏をあしらった奇妙な鎧だった。

なんかこれあれだな・・・・・・呪われてそう!!!これ呪われてるよね?ねぇ、インデックスさん!?

『厄災の鎧に呪いはない。そもそも”厄災を払う鎧”として名匠によって造られたものだ。ただ、この世界には呪いを帯びた装備があることは確かである』

呪いの武器もあるのか。まぁ、今のところは特に用はないかな。さて、これで少し説得力を持って話ができるな。オレはパーティーメンバーの元へと歩いていく。

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