あかいろのしずく
サユリさん、ショウト、アズマ、サキ。そして私。今部屋にいるのは先生と、この五人。



「ナナカさん」



急に名前を呼ばれて、私は先生を見る。



「僕がここに来た時、あなたはまだ寝ていましたね」

「な、なんのことですか?」



私が震えながら聞くと、先生は「怖がらないでください」と私の前にしゃがんだ。そして、「言い方を変えましょう」と私の目を同じ高さで見つめる。








「僕が君を“誘拐”したというのは、言っていませんよね?」











え?





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