あかいろのしずく

最後に確認したのが八時の時だったかな、確か。喋ったり家の中を探索しているうちに、もう一時間が経とうとしていた。


私達はアズマに報告するために一度大部屋に戻ることになった。







が、一通り話し終えた後、ショウトの出した提案が無茶苦茶だった。




「というわけで、ドアとか窓を壊せませんか?」




アズマは怪訝そうな顔をして黙っている。
「子供か」とでも言いたげな顔だった。


そうなるのが当然だったわけじゃない。他に方法を探せばあるかもしれないし。


でも、思いついた中で一番簡単だったのがこれだというのはゆるぎない事実だった、と。
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