あかいろのしずく
『なんで教えてくれなかったんですか?』
ショウトの声が震えていた。
それは私と、アズマに向けられたものだった。
『あいつがここにいるって分かってたんですよね? 全部罠だって、気づいてたんですよね!?』
『......』
『一階に行けって言ったのも、オレ達を囮にしてその隙に逃げようと思っていたんでしょ?』
アズマも私もその時はまだ気づいていなかった。囮なんか、考えていない。
二人で逃げようなんて、考えていなかった。
あらぬ誤解が生まれても、アズマは何も言い返さず。