私の恋のヒーローは

学校でも家でも、私はいつも
スマホを握り締めている。

私にとってのスマホは
電話やメッセージアプリの為に
あるんじゃない。
小説を書く為の道具に過ぎない。

これは私の恋を叶える魔法の機械だ。

コの字型の学校の変な形をした屋上。
生徒が賑わう方の真裏にある
この場所は人目につかない
最高の場所だった。

その指定席に座りパンをかじりながら
今日も私は自分の書いた小説の中の
ヒーローに恋をしていた。

現実世界にユウスケみたいな人がいたら
間違いなく私は彼に恋をするだろう。
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