仮想現実の世界から理想の女が現れた時
女子会の果てに
金曜の夜。

俺はいつものように、昼間、瀬名と外出していてできなかった雑務を片付ける。

すると、SEの加藤から営業の田中に電話が入った。

加藤は、瀬名と飲みに行くって夕方賑やかに帰って行ったはず…

「はい、変わりました。田中です。

ーーーーーー

はぁ、またか。
瀬名、送ってやりたいけど、俺、まだ
帰れないんだよね。
んー、どうしようかなぁ。」

ああ、やっぱり。
また、瀬名が酔っ払ったんだな。

「田中! 代われ。」

俺は、田中に声を掛ける。

「あ、ちょっと待って、部長が代わるって。」

俺は保留にされた電話を取る。

「佐久間です。
どうした?」

『暁里さんが、酔っ払ってて、タクシーに1人で
乗せてもちゃんと部屋に入るか心配なんです。
マンションのエントランスとかで
寝ちゃいそうで…
どうしましょう?』

はぁ…
お前ら、俺より付き合い長いんだから、瀬名に飲ませたらそうなるのは分かってただろ。

「今、行くから、10分後に駅前のロータリーに
連れてきてもらえる?」

『分かりました。』

俺は机上を素早く片付けて、車で駅前ロータリーに向かった。
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