出会いはいつも突然なのです!

3

栗色に染めた髪は肩くらいまである。
申し訳程度のピアスが覗き、手には薄らとマニキュアが縫ってある。
大きな真ん丸の瞳は、カラーコンタクトを入れているのだろうか。少し茶色ががっている。
ふんわりと匂う甘い香りは、女性らしさを感じさせる。

「先生」

「何かな?」

柔らかな物言いで、姫川先生は首を傾げる。
その姿は可憐で、かなり魅力を感じる。

でも、この人に告白、なんて思ったことないんだよな。

俺は自分が行った告白に、疑問を覚えながら聞きたかったことを訊く。

「今日から2対1になるんですか?」

個別指導塾ではよくある事だ。先生1人に対して生徒が2人つく。
これまではずっと1対1で、先生と話せていた。
控えめに言っても、すごーく幸せだった。

「そうみたい。あ、聞いたところによると将人くんと同じ学年らしいよ」

姫川先生はどこか楽しそうにそう言った。
可愛らしく微笑むと、えくぼが現れる。それがまた一段と可愛さを引き立てる。

「なんて言うか、ずるいっすね」

「えぇー、なにがー?」

「別に、なんでもないですよ」

そんな無駄口を叩いていると、ふと人の視線を感じた。
俺は視線のする方に目を動かす。するとそこには―――

「う、嘘……」

嘘だと言ってくれ。頼む……。
視界に写る人物。それはあまりに知りすぎた人で、いま、ここで、関わりたくない人。

「それはこっちの台詞よ」

俺の眼前に立つその人物も、俺と同じ感想を持ったらしい。目を見開きながら、少し震えた声でそう言う。

「えっとー、大空さん? 将人くんと知り合いなの?」

俺と、俺の眼前に立つ大空さんを交互に見た姫川先生は、俺たちの感情など露知らず、そう訊くのだった。
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