おてんば姫の手なずけ方~侯爵の手中にはまりました~
リンネが皇太子になってから3ヶ月後、ついにエリックは今まで通りの生活に戻ってもいいという許可を医者からもらうことができた。

エリック本人は既に体に違和感もなかったので、早くベッド生活を終わらせたいと常々言っていたのだが、何事にも大事をとることが必要と説き伏せられ許可がでなかったのである。

エリックが一番最初にしたことは議会に出ることであった。
リンネが皇太子として国王から任命されたのは本人から聞いていたが、それを他の大臣たちがよく思っていないらしく、議会に参加するリンネに無理難題を押し付けているという噂を聞いていたからであった。

エリックは何度かリンネに議会の様子を聞いていたが、リンネはいつも「大丈夫だよ」としか言わなかったので、現状を一切知ることができていなかった。

今日からは議会に参加できると意気込んでいるエリックはまだ議会が始まるには2時間もあるというのに、今から気が気ではなかった。
この頃、毎日のように話されているのは例のアッサム地域の改革のことであり、大臣たちからすればこの議題はリンネを陥れるための格好の議題であるといえた。

あれからどれくらいアッサム地域の改革が進んでいるのか、今日までベッド生活を送っていたのでまったくと言っていいほどエリックは理解していなかった。
しかし、今もまだこうして話し合いが進められているということはもしかしたら改革がストップしているのではないかと予測をたてることができた。
なにせ、その改革を表立って進めていたのはあのクリスであり、廃太子となってからはどうなっているのかわからなかったのである。
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