Legal office(法律事務所)に恋の罠 *番外編~ジェラシーは内密に~
ファン氏との打ち合わせを終え、奏がフロントの三浦マネージャーを訪ねると、奥のスタッフルームから話し声が聞こえてきた。

「和奏さん、これをどうぞ。お役に立つかわかりませんが、私の母から和奏さんに是非にと・・・」

「ありがとうございます。こんなに気にかけて頂いて、なんとお礼を言えばよいか・・・」

「いえ、・・・が和奏さんと同じ状況だったからよくわかるんですよ。誰にも言えない状況は辛いですよね・・」

「男性なのに、こんな状況を共感してくださる方がいるなんて本当に・・・戸惑いの方が大きいです」

「遠慮なさらないで下さい。ここのスタッフは皆、和奏さんの味方ですから!」

見つめ合う二人の頬はホンノリと赤く色づいている。

ここ数日、奏に決して見せることのなかった和奏の笑顔がそこにはあった。

奏はそっとその場を離れると、スタッフ用のレストルームに移動した。

やはり、紫織からの過剰な接近が原因で、今度こそ和奏に愛想をつかされたに違いない。

そして、その状況をおおいに利用して和奏に寄り添う三浦マネージャー・・・。

奏はしばらくレストルームで時間を潰した後、意を決してフロントの三浦マネージャーの元に向かった。

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