片想い同盟


「もう。否定するどころか返って怪しまれてるじゃない」

「知らねぇよ。俺だっていろんな奴からお前とのこと質問責めされてんだぞ?女子の興味にまで付き合ってられるか」



予鈴が鳴り、席に戻って早々に拓海は疲れた様子で机にうなだれた。


クラスメイトたちも席に着いたものの、まだ先生は来ておらず、おしゃべりタイム。


次の古典の授業は、教室にたどり着くまでに時間がかかることで有名なおじいちゃん先生だから。



「……私たち、そんなに付き合ってるように見えるのかな?」

「杏までそれ言うなよ」

「いやだって」


だって、気になるんだもん。しょうがないじゃない。


周りからそう見えてるってことは、優希くんと白石さんの目にもそう映ってるかもしれないってことでしょう?


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