片想い同盟



幼なじみで恋愛、だなんて、正直現実にあるとは思ってなかった。


でもあの2人を見ていたら、お互いがお互いに恋していることくらいすぐにわかる。



それがわかっていても私が優希くんを好きなことはやめられないんだから、恋愛って本当に恐ろしい。




「あー、怖い怖い」

「は?何がだよ」

「んー?恋愛って怖いよねって話」


この沈みつつある空気が嫌でおちゃらけて言うと、拓海はめんどくさそうに「あっそ」とだけ言った。



「何よー、その態度ー」

「うるさい。ていうかお前、今日の英語の予習やった?」

「はー?そんなの当たり前じゃん。やらないバカがどこに」

「見せて」

「……うわ」


拓海が差し出す右手に、仕方なく英語のノートを乗せる。


なんの躊躇もなく丸写しを始めるこのバカに、私はただただ呆れて眺めていた。



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